着ぐるみのサイズ:演者を正しく採寸し、フィットを合わせる方法
ネット上の着ぐるみの商品説明は、どれも同じことしか書いていません。「身長168〜183cmに対応」。これは配送ラベルであって、フィットの仕様ではありません。演者が見え、歩き、仕事ができるかどうかを決めるのは6つの寸法です。その測り方と、工場がその数値をどう使うのかをお伝えします。
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要点
- 6つの寸法のうち、身長は最も役に立ちません。着ぐるみが機能するかどうかを決めるのは目の高さ、胸囲、肩幅です。身長が決めるのはおおむね脚の長さだけです。
- よくできた着ぐるみは、ハーネスを介して重量を肩と腰で支えます。演者の首ではありません。これは裁断前に決まる構造上の判断です。
- 共有する着ぐるみは、最も背が高く最も体格の大きい演者に合わせて作り、他の演者はパッドで詰めます。すでに小さすぎる着ぐるみを大きくすることはできません。
- 到着当日に8項目のフィットテストを実施してください。鏡、階段、着席、膝立ち、腕上げ、手振り、歩行、視線。納品時の10分は、イベント当日の発見に勝ります。
「フリーサイズ」が失敗し続ける理由
既製の着ぐるみが単一の身長レンジで売られているのは、カタログが何も質問せずに印刷できる数字がそれしかないからです。この慣習が生き延びているのは、たいていの場合は何とかなってしまうからです。ほとんどの大人は、ほとんどの着ぐるみに入って立ち上がることができます。
しかし仕事は立つことではありません。仕事とは、不整地を45分歩き、5歳の子どもと写真を撮るために膝をつき、ステージへ3段上がり、休憩のあともう一度同じことができる状態で戻ってくることです。それが可能かどうかを決める寸法は、ラベルに書かれている数字ではありません。
2人の演者がどちらも172cmで、それでも本当に別の着ぐるみを必要とすることがあります。一方は胸囲96cmで脚が長く、もう一方は胸囲118cmで股下が短い。固定寸法のボディスーツでは、前者は胴が余って袖口につまずき、後者は腕を肩より上に上げられません。カタログ上の意味ではどちらにも「合って」おり、実務上の意味ではどちらにも合っていません。
- 製作で実際に使う寸法の数
- 6
- よくできた1体が吸収する身長差
- ± 12 cm
- 大半の問題を見つけるフィットテスト
- 10分
着ぐるみが作られる6つの寸法
柔らかいメジャーで、演者が実際に着ぐるみの中で着る服の上から測ってください。Tシャツとレギンスであって、冬用コートでも素肌でもありません。単位はセンチで記録します。まともな製作者はすべてセンチで作業します。最後の段階でインチを換算する工程こそ、間違いが入り込む場所です。
| 寸法 | 測り方 | 何を決めるか |
|---|---|---|
| 目の高さ | フラットな靴でまっすぐ立ち、床から瞳孔の中心まで | 視界メッシュの位置。ここを誤ると演者は頬の内側を見ることになります |
| 胸囲/バスト | 最も高い位置を水平に、腕を下ろし、普通に息を吐いた状態で | ボディスーツの型紙幅と、パッド入りの胴でファスナーが閉まるかどうか |
| 肩幅 | 背中側の骨から骨まで。三角筋の外側を通さないこと | 袖の傾きと、腕を頭の上まで上げられるかどうか |
| 股下 | フラットな靴で、股から床まで | 脚の長さと、脚の短いキャラクターで膝の折れ位置がどこに来るか |
| 頭囲 | 耳と眉の上を通り、最も太い位置を一周 | 頭部内部のケージ寸法と、内側のパッドの厚み |
| 靴サイズ | EUサイズ。幅が特殊な場合は足幅も | 足部を演者自身の靴の上から作るか、ブーツとして作るか |
定義は ISO 8559-1 の人体計測の慣行に従っています。型紙担当者はこれに基づいて測られていると想定しています。
目の高さは、皆が飛ばしてしまう寸法です
頭部の造形は視線を基準に設計されます。口元、瞳、装飾パネルのいずれかに隠したメッシュの帯です。この帯は一度だけ、申告された目の高さから計算した位置に開けられます。想定より8cm背の低い演者は、キャラクターの上唇のあたりから外を見ることになります。
しかも演者はたいていそれを訴えません。見るために顎を上げ、そのぶん頭部が前へ傾き、首に荷重がかかります。こうして2時間の出演が、頭痛と翌朝の首の張りに変わります。首のことは耳に入ります。その原因になった視線のことは耳に入りません。


調整が実際に効いている場所
「調整できる」着ぐるみとは、紐が長い着ぐるみのことではありません。調整は4か所に設計で組み込まれており、それぞれに限界があります。ボランティアの演者に「快適ですよ」と約束する前に、知っておく価値があります。
1. 頭部ケージ
パッド入りリングと頭頂ストラップ、頭囲±4cm
狭い範囲で目の高さを合わせ、頭部が顔の向きと無関係に回ってしまうのを防ぎます
2. 肩ハーネス
ラダーロック式ウェビング、胴丈±6cm
頭部とボディの重量を首ではなく肩と腰へ流します
3. 胴のパッド
取り外し可能なウレタンパネル、片側最大3cm
より体格の大きい演者向けに作った着ぐるみを詰め、シルエットを正しく見せます
4. 脚と袖の丈
かんぬき止めした内側の折り返し、±5cm
毛を切らずに袖口・裾を床から離せるため、変更を元に戻せます
8項目のフィットテスト
着ぐるみが到着した当日、その場で、補助役をもう1人立てて実施してください。所要10分です。ここで見つかる問題はすべて、イベントの週に発覚するより安く直せます。
1
視線
まっすぐ立った状態で、1.5m先の床と、真正面に立つ子どもが見えますか。
2
階段
3段を上り下り。介助なし、顎を上げずにできること。
3
着席と膝立ち
椅子に座り、片膝をつき、補助の手を借りずに立ち上がる。
4
5秒で頭部を外す
時間を計ってください。それ以上かかるなら、緊急時に適さない留め方です。
5
両腕を頭上へ
両腕を上げて拍手。肩が突っ張るなら袖の傾きが誤っています。
6
手を振る・指差す
そのキャラクターが実際に行う所作を、まるまる1分間。
7
50m歩く
可能なら屋外で。袖口・裾の引きずりと、頭部の揺れを確認します。
8
鏡で確認
演者自身がシルエットを見ます。信じられる着ぐるみは、演技を良くします。
フィットが正しい

- 頭部が肩に対して水平に乗り、演者はまっすぐ前を見ています
- 重さを感じるのは肩と腰で、首ではありません
- 靴を履いた状態で、袖口・裾が床から2〜3cm離れています
- 演者が補助なしで膝をつき、立ち上がれる。それを2回続けてできます
フィットが誤っている
- 頭部が前に傾き、演者はメッシュを探して顎を上げています
- 腕を水平より上げると肩の縫い目が引っ張られます
- ズボンが足首でたるむ。芝生の上ではつまずきの原因です
- 頭部を外すのに2人がかりで15秒かかります
症状、原因、そして対処
| 演者の言葉 | よくある原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「1時間で首が痛くなります」 | ハーネスが調整されていない、または頭部が肩に乗っている | ハーネスを組み直して頭部を浮かせ、胴のウェビングを詰めます |
| 「目の前の子どもが見えません」 | 視界メッシュがより背の高い演者に合わせて開けられている | 内部ケージのパッドを足して高さを上げます。新規製作なら目の高さを申告してください |
| 「足につまずきます」 | 名簿で最も背の高い演者に合わせて脚丈が設定されている | 内側の折り返しで詰めます。毛を切ってはいけません |
| 「歩くと頭がぐらつきます」 | ケージの内周が大きすぎる | 頭頂にパッドを足し、ストラップを締め、もう一度歩行を確認します |
| 「腕が上がりません」 | 発注時の肩幅が過小申告、または袖の傾きが低すぎる | 脇のマチを開放します。作り直す場合は骨から骨まで測ってください |
| 「暑くて耐えられません」 | フィットの問題ではありません | 演者の暑さ対策ガイドをご覧ください。サイズではなく交代と気流の問題です |
よくあるご質問
着ぐるみを発注するには、どんな寸法が必要ですか?
6つです。目の高さ、胸囲、肩幅、股下、頭囲、靴サイズ。すべてセンチで、演者が着ぐるみの中で着る服の上から測ってください。身長だけでは足りません。身長が決めるのはおおむね脚の長さで、見えるか・動けるかを決めるのは目の高さ、胸囲、肩幅です。
1体の着ぐるみを複数の演者で共有できますか?
できます。体に沿わせたボア製の着ぐるみならおおむね身長差12cmの範囲、エアー式ならさらに広い範囲です。名簿で最も背が高く体格の大きい人に合わせて作り、取り外せるウレタンで他の演者を詰めてください。すでにきつい着ぐるみを大きくすることはできません。ヘッドソックとクーリングベストは個人用とし、それ以外は共有できます。
着ぐるみの頭部のための目の高さは、どう測りますか?
フラットな靴でまっすぐ立ってもらい、床から瞳孔の中心までを測ります。この数値が、製作者に視界メッシュをどこに開けるかを伝えます。共有する着ぐるみであれば範囲をお伝えください。背の低い演者向けには頭部ケージにパッドを入れることになります。
着ぐるみの足は、演者自身の靴の上から履くべきですか?
共有する着ぐるみなら、そうすべきです。演者自身のスニーカーの上から履くフットカバーは靴サイズ3つ分を吸収し、靴底がすり減っても交換が容易です。成形ブーツはデフォルメされたキャラクターでは見栄えが良いものの、実質1サイズしか合いません。演者が1人の運用に向いています。
着ぐるみはどれくらいの身長差を吸収できますか?
調整式ハーネスと内側の折り返しを備えたよくできたボア製の着ぐるみは、設計基準から約±6cm、合計でおよそ12cmの幅を吸収します。エアー式のボディは外皮が体に沿っていないため、さらに広く対応します。それを超える場合は調整ではなく、ボディスーツの裁断からのやり直しが必要です。
着ぐるみが届いたら、何を確認すべきですか?
8項目のフィットテストを実施してください。視線、階段、着席と膝立ち、5秒以内での頭部の取り外し、両腕を頭上へ、手振りと指差し、50mの歩行、そして鏡での確認です。イベントの週ではなく到着当日に、補助役をもう1人立てて行ってください。
着ぐるみはユニセックスですか?
外側のキャラクターはユニセックスです。シルエットは演者ではなくキャラクターのものだからです。ただし内側のフィットは自動的にユニセックスにはなりません。胸囲と肩幅は性別間よりも個人間の差のほうが大きく、だからこそ当社はラベルではなく数値から型紙を起こします。
執筆者について
- Building mascot costumes in Shenzhen since 2013
- About 3,000 costumes a month, shipped to 60+ countries
- Writes from the cutting table, the sewing line and the pre-shipment QC bench
出典
外部リンクは新しいタブで開きます。内容の確認用であり、推奨を意味するものではありません。
- 1. ISO 8559-1:2017 — Size designation of clothes: anthropometric definitions for body measurement
- 2. ANSUR II — US Army anthropometric survey, open data set
- 3. CDC/NCHS — Anthropometric reference data for children and adults, United States (Vital and Health Statistics 3/50)
- 4. US Access Board — Anthropometry research: body dimensions and reach
